3社間ファクタリングとは、ファクタリングを利用する企業(売掛債権の保有者)、ファクタリング会社、そして売掛先企業の3者が関与するファクタリング契約の形態です。売掛先に債権譲渡の通知・同意を得たうえで、売掛金の支払いをファクタリング会社が直接受ける仕組みです。
この方式の最大の特徴は、ファクタリング会社が売掛先から直接回収することで、債権回収リスクが低減され、手数料が比較的低く抑えられる点です。一般的には売掛金額の1%~5%程度が相場とされています。そのため、資金調達コストを抑えたい企業にとっては非常に魅力的です。
また、売掛先の信用力が高いほど審査が通りやすくなるという点もメリットのひとつです。手数料も低く、資金調達後も売掛先との関係に透明性が生まれるため、企業の財務健全性の向上にも寄与します。
一方で、売掛先に債権譲渡の事実を通知する必要があるため、取引関係に影響を及ぼす可能性もあります。売掛先にファクタリングの利用を知られたくない場合や、関係性が浅く承諾が得られにくい場合には不向きです。また、通知・同意の取得に時間がかかるため、資金調達までに一定の期間を要することもあります。
以上のように、3社間ファクタリングはコストを抑えつつ安定した資金調達ができる一方で、売掛先との関係性や手続きの煩雑さには注意が必要です。計画的な運転資金確保や長期的な資金戦略の一環として、特に中堅・大企業に適した手法といえるでしょう。